真のナチュラルコスメへの取り組み | |
〇はじめに 創業以来当社は一貫してエイジングケア用基礎化粧品の開発に取り組んでおり、20年前に |
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〇自然やオーガニックの国際基準化 その後2015年に国連にて持続可能な開発目標(SDGs)が採択され、サステナビリティの観点から、化粧品業界でも いままで統一基準のなかった自然やオーガニックの基準の整備が進み、2016年から2017年にかけて、 ISO(国際標準化機構)のTC217(化粧品に係る技術委員会)において検討されてきた、自然及びオーガニックに 係る基準が、ISO 16128として発行されました。 2018年には日本化粧品工業会が、消費者に対してわかりやすく情報提供するため、表示方法に関するガイドラインを 作成しました。 化粧品の自然由来指数を計算、表示するためには、その化粧品に含まれる成分一つ一つの指数をすべて原料会社に 確認する必要がありますが、ISO16128の制定当時は化粧品業界的にも認識が低く、成分の証明書を作成している 原料メーカーも少なかったため、化粧品としての指数表示の根拠となる資料の整備が出来ずにおりました。 ここ数年でSDGsの認識が高まり、化粧品業界が有害成分を排除して環境保護を考えながらつくる クリーンビューティコスメの時代に入ったことから、各原料メーカーも自然由来指数の証明書を作成するようになり、 ようやく化粧品としての自然由来指数表示が可能となってきました。 〇真のナチュラルコスメとは ただし、世界基準で自然由来指数表示が可能になったとはいえ、指数表示をしただけではその化粧品が 真のナチュラルコスメであることの証明とはなりません。 なぜなら、自然由来指数表示がされていたとしても、その化粧品のすべての成分が自然由来原料であるとは 限らないからです。ISOの基準では自然由来指数の表示方法は水を含んで計算する方法と、水を含まないで計算する方法の 2種類が認められています。注意しなければならないのは、水を含む場合の自然由来指数は非常に高い数値に なりがちだということです。 例えば、クレンジングジェルの場合、主成分である洗浄成分が10%含まれていて、その粗原料が石油由来で自然由来指数が ゼロだったとしても、水を含む自然由来指数の表示方法なら最大で「自然由来指数90%(水を含む)ISO16128準拠」と 記載できるのです。一見数字だけ見ると自然由来にこだわった化粧品だと思われますが、実際はメインの洗浄成分が 石油由来成分だった、ということになります。同様に保湿力を訴求したジェル化粧品などはカルボキシビニルポリマーという 石油由来成分を0.5%程度使えば簡単にゲル化しますが、そのたった0.5%の合成成分が保湿をイメージさせるジェルの 正体なのです。この場合も最大で「自然由来指数99.5%(水を含む)ISO16128準拠」と表示できるわけですから、 真のナチュラルコスメかどうかを見極めるためには自然由来指数だけを見るのではなく、すべての成分が自然由来で あるかどうかを確認することが大切なのです。 〇全成分自然由来であることへのこだわり このように、ISO16128の基準ができたことで、世界基準の自然由来の定義が確定しました。 そこで当社では、全成分天然由来を特長としていたパーフェクトナチュラルシリーズを改め、 全成分がISO16128に定義された自然由来成分である化粧品開発を2022年より開始し、 2025年よりプレミアムナチュラルシリーズの販売を開始いたしました。 ISO16128では、化粧品に配合される原料一つ一つをキャリーオーバー成分に至るまで自然由来成分かどうかの評価をし、 さらに、自然物から加工されたものであっても成分の化学構造中の自然由来部分が50%以下の場合には 自然由来指数は 0となり、自然由来成分ではないという厳しい基準が設けられています。 我々の化粧品へのこだわりは、単に「自然由来指数が高い化粧品」ではなく、 「自然由来指数0の成分は使用しない」つまり、「全成分が自然由来原料」であることとしています。 化粧品の自然由来指数がいくら高くても、成分の中に自然由来ではないもの(石油や天然ガス由来の合成成分または 自然由来部分が50%以下の成分)、つまり、自然由来指数がゼロの成分が含まれていれば、たとえそれが全成分表示に 表記しなくてよいキャリーオーバー成分(原料メーカーがその原料の防腐剤や保存剤として添加している成分で、 全成分表示に記載しなくてよいもの)であっても真のナチュラルコスメとは言いません。 当社ではそのような自然由来指数がゼロの成分を一切配合しない化粧品づくりにこだわってきました。 〇全成分自然由来は処方組みが難しい 全成分が自然由来の化粧品を作ることは実はそう簡単なことではありません。 そもそも原料会社が作る原料には合成由来の防腐剤が入っていることが多く、それらの原料を使用しないとなると、 限られた原料の中からしか選ぶことができなくなり、意図した処方組みが難しくなります。 例えば一般的に水溶性コラーゲンという原料は水に溶けた状態なので必ずフェノキシエタノールなどの合成由来の防腐剤が 入っています。この状態で化粧品に配合してしまえば全成分が自然由来とは言えなくなります。 そこで当社では原料メーカー様にお願いして防腐剤の入っていない水溶性コラーゲン原料を冷凍して送っていただき、 冷凍状態のまま自社で保管し、化粧品製造の際はその冷凍原料を製造工場へ冷凍便で輸送するという手間とコストのかかる作業を しております。 ただ、原料の防腐剤の問題が解決しても、今度は完成した化粧品自体の抗菌力をどうするかという問題がまっています。 自然由来の防腐剤は細菌、真菌どちらにも効果があるものは少なく、PHの影響を受けやすいものもあるので、これも様々な 組み合わせを試行錯誤する必要があります。 他にも洗浄成分や増粘剤など合成由来の成分なら簡単にできることが、自然由来成分となると使用感や効果に 不具合が生じることが多く、それを解決するために時間をかけて研究開発する必要があります。 〇当社の今後の化粧品開発について 当社では現在以下のような様々な自然由来の研究開発を行っております。 |
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